【静岡】富士山 ゼロからの挑戦 3日目 2019

遠くに富士山が見える 登山(関西以外)
遠くに富士山が見える

海抜ゼロから富士山山頂を目指して登するベンチャー隊のクレイジーな話の三日目。

さすらい記録

記録: 2019.07.28
天候:晴時々曇り
場所:富士宮市
出発:PICA表富士グリーンキャンプ場(富士山2合目 標高1200m)
到着:元祖7合目山口山荘(富士山7合目 標高3010m)
地図:富士山登山ルート3776
行程:[1] PICA表富士→[2] 旧料金所→ [3] 第1火口→ [4]6合目→ [5] 山口山荘 
歩行:7時間(実質4時間)
距離:13.8km (GPSによる記録)、平均2.6km/h
高低:1873m
参加:O隊長、Y副長、私、たか、あき、がくと、きょうか、さとし
装備:3泊4日に必要なもの。ザック重量約10kg前後(水、食料、着替え等)

0600 起床

疲れていると12時間も眠れる?スカウトたちは眠れるそうだが、私は3時間程度で目が覚めてしまう。しかし、どうにか12時間は横になっていたので体力は回復していた。キャンプに対応した体になってきたのかもしれない。

昨夜の雨は上がり、曇り空になってる。
洗面を終えて朝食はクリームパン。食べると体が目覚める。ここ数日のカロリーの消費と補給の出し入れは激しい。雨に濡れた衣類などは生乾きのままだ。

荷物整理を済ませて受付に向かう。

0715 受付

昨日頼んでおいた段ボールにテント類を詰め込んで梱包した。

テント類だけで、一人3kgくらいは軽くなるのはラッキーだ。今日は、標高1200メートルから標高3010メートルまで登らなければならない。だから、1gでも軽い方が体の負担が減る。

この「富士山ルート3776」に挑戦する方は、ここで宅配便(佐川急便だった)を利用することを計画にいれておくといいだろう。使いもしない装備を持って登るのは苦痛でしかない。

ただ、梱包材はないので、佐川急便の引き取りサービスなどで梱包材を手配しておくともっと多くの不要な資材を送り返すことができるだろう。

O隊長と「がくと」は、金剛杖を買う。これを持って登山するのだそうだ。私はストックを持っているので購入は見合わせることにした。

0800 出発(標高1200m)

玄関前で記念撮影。

軽く準備運動をして出発した。左肩と腰が少し痛い。ザックの担ぎ方が悪いのかもしれない。「あき」は股関節が痛むという。

今日も、私が先導する。全員を次の目的地の7合目まで落伍者を出すことなくリードしなければならない。

 道路はまだ湿っていて、太陽光線があたるところからは湯気が立ち上っている。なかなか抒情的な風景だ。1列になって進むとふもとから車が次から次へとやってくる。だらだらと続く上り坂である。両横は樹林に囲まれていて涼しい。鳥の声が聞こえる。

途中で、かわいそうなメス鹿が車に跳ねられたのか絶命していた。合掌。

0950 旧料金所跡(標高1460m)

約5.5kmほど歩くと、富士山スカイラインの分岐にやってきた。分岐点の近くで大型バスが2台ほど停車していて、たくさんのハイカーを吐き出していた。近くまでやってきたら、なんやら歩会という名前の団体だった。旧料金所跡のすぐよこに、自然休養林に続く山道の入口があった。

団体客は、見た目がシルバー世代だった。今から、富士山に登るのだろうか?
装備を見る限り軽装だ。途中で下山するのだろうな。この団体客といっしょに登るのは混雑の元なので、少し時間をずらすことにした。

旧料金所跡には、安全誘導係のおっちゃんが2名いて、いろいろ教えてくれる。すぐ横に簡易トイレがあったが、それは修理中なので、階段を降りたところにある別のトイレを使ってくれとのことだった。

1005 出発

10分ほどずらして出発した。富士山自然休養林の山道は、ハイキングの雰囲気だ。

コケも多くて、大台ヶ原山の林道を思い出した。きっと、体にいい成分のイオンが出ているに違いない。いい感じだ。

ゆっくりゆっくり歩いているつもりだったが、やがて、先の団体の最後尾に追いついてしまった。予想通り、お先にどうぞと云われるのだが、そうなると、早く抜かないと申し訳ない気持ちになって、少々早足になってしまう。いかんなあ。

団体客とスカウトはなにやら話をしながら抜いていく。どうやら、海抜ゼロメートルから歩いているのだというのを聞いて、みんな驚いているようだ。

時折、標識を見失うことがあったが、ピンクの誘導テープがあったのでルートを外すことはない。足場は歩きやすい。ここが富士山であることを忘れさせるような林道だ。

あらかじめ申し合わせていたように30分に1回のペースで小休止する。1日の登山なら50分から1時間で1回の休憩だが、今日は歩き始めて3日目だ。すでに30km以上も歩いているので、体も少し疲れている。

体力をできるだけ温存して、じわじわと登る作戦だ。

1115 ガラン沢の分岐(標高1740m)

ここで小休止。汗が出る。勾配はそれほどでもない。シルバー世代の方でも気分よく歩くことのできる道だ。

GPSの地図は、なんて便利なんだろうと思う。紙の地図も持っているが、ほとんどスマホの地図を利用している。ここがガラン沢であることはスマホの地図が示している。ピッチもわかるし、高低差もわかる。テクノロジーってすごいと思う。やがて、下の方から先の団体がやってきた。そろそろ出発しよう。

1205 御殿庭下(標高1980m)

ほぼ予定通りに「御殿庭下」に到着。ここで昼食にする。ぺちゃんこになったアンパンを食べる。スカウトは、パンに加えてカロリーメイトも食べてる。あいかわらず旺盛な食欲だ。周りは樹々に囲まれていて、見晴らしは良くない。とがった岩に腰かけて、パンをもぐもぐ食べる。スカウトたちは元気だ。みんな、水をがぶがぶ飲んでいる。

1308 村山修験者富士山修行場跡(標高2150m)

小休止。先客がいて休んでいた。このあたりはハイキングコースなのか、双眼鏡を持った人を何人も見た。バードウォッチャーかもしれない。念のために着込んでいたレインウェアを脱ぐ。

もう、標高は2000メートルを超えている。出発から800メートル登ってきたことになるな。まだまだ、これから。

さあ、ここからがしんどいところだ。O隊長が、それをスカウトに言わないでとのリクエスト。確かに、しんどいことを言わずにいるのも親心か。

周りがどんどん灌木になってきたかと思ったら、前方の視界がパッと開けた。トラロープで誘導されたそのコースは、一言で言うと「軽石の砂利山」である。
一歩踏み出すと、ズルズルと30センチほど後退する。そして、つぎの足を踏み出してまた30センチほど後退する。これの繰り返し。ちっとも前へ進まないのだ。

「たか」が、これってムーンウォークやん。と嬉しそうにしゃべっている。

全然、うれしくないが、うまいこと言うなあと感心する。前を見上げると、延々と砂利山が続いているように見える。周りに手すりがあるわけでもなく、そしてまた、ストックなどはほとんど役に立たず、ひたすら「1歩進んで半歩下がる」の「人生はワンツーパンチ」を繰り返す水前寺清子のごとき状態であった。

スカウトたちもわあわあ言いながら登っている。

1350 山体観測装置(標高2350m)

這うようにして登りきったところが、山体観測装置のあるポイントであった。後で思い返しても、この道だけは二度と登りたくないくらいのムーンウォーク道であった。右横には、茶色い宝永山がデンと構えている。木なんか一本も生えていない。江戸時代に噴火したというが、なんとなく怖い感じがする火口だ。遠くに、小学生らしき団体がワアワア言っているのが見える。どこから来たのか?すぐ横に5合目に続く道があって、そこから来たのだろう。あっという間に姿が消えた。

1420 宝永第一火口縁

自然にできた道ではないのに平坦な砂利道が遠くに続く。これを登っていくのかと思うと気が滅入るほど道が続いている。

おおっというスカウトたちの声が聞こえる。
振り返ると雲海の下に下界がうっすらと見える。なかなかの景色だ。よくよく見ると、われわれのルートは6合目へと向かう左へのルートであった。初日にケガをして参加できなかったスカウトが根性でケガを直して6合目で合流する約束だ。

平坦で歩きやすい道を6合目に向かって進んでいく。10分ほどすると山荘が見えてきた。遠くで手を振っているY副長が見えた。なんか、映画みたいなシーンのやつやん。

1440 6合目 雲海荘(標高2490m)

途中合流の二人と出合う。おお~、大丈夫か。はい。「きょうか」がぼそぼそ答える。入念にザックの重さを計ってきたらしい。Y副長から野菜ジュースの差し入れがあった。のどが渇いていたのでありがたく頂戴する。わあ、荷物が軽くなったわとY副長が喜んでいた。

ここで、最後のスタンプを押す。金剛杖の二人は焼き印を押してもらう。

1450 出発

準備を整えて、フルメンバー8名で出発。

先導は私である。二番目に「あき」、3番目が「きょうか」、Y副長、「たか」、「がくと」、「さとし」、O隊長と続く。体調不良を訴えているスカウトはいない。とにかく全員が7合目まで無事に登るのが今日の目標だ。

一歩一歩、ゆっくりと登っていく。他の登山客は多くない。富士宮ルートは、吉田口ルートに比べると岩場が多いような気がする。汗が吹き出てくるが、なにも気にならない。速乾性のタオルは乾く暇もない。気温が低いだけ救われる。

1550 新7合目 ご来光山荘(標高2780m)

相変わらず30分に1本の割合で休憩を入れながら到着。良いペースである。気温は下がり涼しい。雲が出ていて景色は白一色だ。たくさんの登山客が休んでいた。5分ほどで出発。

足元の岩場だけを見つめて登っていく感じ。見上げると山荘がちらりと見えるが、なかなか近づかない。

1630 小休止

まあ、なんということもないのだが、30分ごとに休憩するというのは実に単調。しかし、確実に登るにはピッチを守りながら登るのが肝心。にしてもだ。富士山というのは、とにかく変化がない。みんなが口を揃えて言うのがわかる。せめても、途中で眺める景色を楽しむしかない。

スカウトたちは黙々とあとをついて登ってくる。みんな、異常なし。「あき」が、もうこうなったら根性しかないとか言ってる。そう、気力が大切だ。

1650 元祖7合目山口山荘(標高3010m)

とうとう、本日の目的地に到着!トータルで、高低差1870メートルほどを登ってきた計算だ。今日が一番きつかったなあ。出発してから約9時間が経過している。メンバーたちの顔色はよい。あいかわらず、なにかわからん冗談を飛ばしている。

しかし、私は肩や足が痛む。ハイドレーションのザックの位置が悪かったのかもしれない。足のマメができているスカウトも数名いる。私も左足にマメができているが、つぶれてはいない。足の筋肉は全然大丈夫だ。

山荘に荷物を入れて休憩する。狭いスペースにぎゅうぎゅう詰めに寝ることになる。私が計ったところによると、一人分の横幅は約50センチだった。寝具はシュラフだ。山小屋では普通。

1750 夕食

順番に呼ばれて夕食になる。メニューはカレーだ。暖かい食べ物にありつけるだけ幸せだ。「あき」も苦手なカレーだが一生懸命食べていた。山荘には40人くらいの登山客はいただろう。順番に食事に呼ばれていた。

1900 就寝

O隊長を中心に打ち合わせ。明日はご来光を見るために、12時45分起床で1時15分の出発となった。ザックはこの山荘で預かってくれるそうだ。これはありがたい。小さなザックに必要最小限のものを詰めておく。起きてすぐに出発できるように、出発時の服装に着替えて寝る。汗臭いのだが、全員が汗臭いので全然臭わない(気がする)。

部屋は二段ベッドで合計4つ。30人近い人間が宿泊しているようだ。すでに寝入っている人もいるが、ざわざわしていてなかなか寝付けない。

それでも、明日のご来光を夢見て寝ることにした。

最終日に続く

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