【屋久島】 熱踏!宮ノ浦岳 縦走 3日目

苔むす森 2 登山(関西以外)
苔むす森

宮之浦岳も登ったし、縄文杉も観た。あとは、太鼓岩から白谷雲水峡へ行こう!

さすらい記録

記録:2016.07.30
天候:晴れ
場所:屋久島
出発:新高塚小屋
到着:白谷雲水峡
地図:山と高原社「屋久島・宮之浦岳」
道程:[1]新高塚小屋→[2]縄文杉→[3]楠川別れ→ [4] 太鼓岩→ [5] 白谷雲水峡
歩行:9時間
距離:15kmくらい
体力:★★★ (しっかりと訓練が必要)
技術:★★ (重いザックを背負っての登山)
見所:★★★(大自然が素晴らしい!)
お店:★  (地元のスーパー)
駐車:白谷雲水峡(30台程度)
トイレ:新高塚小屋、高塚小屋、大株歩道、三代杉あたり、白谷雲水峡
備考: 初日二日目

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一年前から計画していた屋久島縦走プロジェクト。
スカウトたちも気合いが入っている。全員が平均13kgくらいのザックを担ぐ。中には16kgというスカウトもいる。

●1日目は、安房のキャンプ場で野営
●2日目は、淀川登山口から宮ノ浦岳を経由して新高塚小屋 泊
●3日目は、縄文杉から白谷雲水峡
●4日目は、鹿児島へ
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三日目は待望の縄文杉と白谷雲水峡だ。新高塚小屋の標高は1460mだ。
今日は、縄文杉から大株歩道から楠川別れ(720m)まで降りる。
標高差は740m。そこから太鼓岩(1070m)までの上るので、気を抜いているとキツイ。

0420 起床

寒い。気温は14度だ。空には星が見えている。
テントとシュラフを干したいところだが無理だろう。バーナーでお湯を沸かしてアルファ米食を食べる。ドライカレーだ。← 朝からドライカレーかよ。

食後のコーヒーを飲みながら、撤収の準備だ。小屋に泊ったグループが5時くらいに起きてきた。

みんな足は大丈夫そうだ。私は太ももが少しはるくらいで筋肉痛はない。
1人が足が痛いのでヤバイって言ってると、他から寝る前にストレッチしてないからやと。
えっ、みんなストレッチしてたん? 全員、黙ってうなずく。ええーーー。そう、私もストレッチしたな。

ふと気が付くと、いつもは早起きなYリーダーが起きてこない。
5時40分くらいになっても起きてこないのでスカウトに見に行ってもらった。すると眠そうな表情で起きだしてきた。どうやら、昨晩はネズミのせいで寝られなかったらしい。

体や腕の上をとことこ走り回るのだそうだ。
100匹は出たという話だが、もう一人の人がそんなにはいない。せいぜい20匹ほどだという。
20匹でも十分多いが。
2階に泊まったスカウトたちは全然平気だった。ネズミも2階ベッドまでは上らなかったらしい。この小屋に泊まるときには、2階に泊まるべし。Yリーダーは十分に朝食が取れず、行動食だけで出発することになった。

0606 出発

ここからは下りだ。およそ1時間くらいを想定している。
足元は、板場と木の根っこが交互に展開する山道だ。思うようにスピードが出ないが、こんなもんだろう。
50分ほど歩くと、高塚小屋(標高1330m)に出た。
この山小屋は、3年前にリニューアルしたとか。木の香りがするきれいな山小屋である。20名ほど泊まれる。ここまでくると縄文杉まであと5分ほど

0713縄文杉(標高1280m)

やがて小さな避難小屋が見えた。そこから数分で縄文杉だ。
みんなわくわくしている。

いきなり、展望所に出た。
わあ、という歓声が上がる。とうとう見たぜ。
そうだ。これを見るためにやってきた。

展望所には誰もいなかったが、すぐに2人連れの登山客がやってきた。それでもほぼ独占状態だ。みんなで並んで、隊旗を掲げて記念撮影する。それぞれがいろいろなポーズを決めて写真を撮っていた。

0746 出発

30分ほど時間をかけて縄文杉を堪能したので出発することにした。
次はウィルソン株を目指す。

板道の上り下りが間断なく続く。これが結構きつい。
8時半頃に、下から上ってきた2人連れの登山客とすれ違った。聞くと、荒川登山口の1番バスでやってきたそうだ。ということは、荒川口からここまで2時間半で来たということになる。
早い!
1番バスは50人くらい乗れるので、その観光ツアーとかち合ったら大変だ。9時前にはウィルソン株にたどり着きたい。長い長い板道を降りていく。

0905 ウィルソン株

ちょっとした広場だ。すでに、登山客が10数名いた。
大きなウィルソン株の中に入って祠にお参りしたあと写真を撮った。やがて、下から続々とトレッキングツアーが上がってきて混雑し始めた。ガイドの人たちはトランシーバーで連絡を取り合っている。これだけの人数が縄文杉まで上がるとなると大変だ。

ちょっとうれしがり?

1586年に豊臣秀吉の命により伐採されたらしい。その後1914年にウィルソン博士によって紹介されたとか。ウィルソン株の中には清水が湧き出ていて内部に祠がある。
木の内部の匂いがこもっている感じがする。
Tスカウトがこの水を飲んでみようとペットボトルに入れていた。後で聞いたら、あんまりおいしくなかったとのこと。
端っこにある小さな岩の地面近くから上を見上げるとハートマークが見える。この写真を撮りたい人が多いので、みんな順番待ちしていた。

0922 出発

トロッコ道まではゆっくり歩いて30分ほどなのだが、下から上がってくる登山者とすれ違うために時間がかかる。
ほとんどがガイド付きでやってくる。
当方は10名のパーティなので、ガイドさんに何度も道を譲ってもらった。
その度に、高校の登山部ですか?と聞かれる。
いえ、ボーイスカウトです。と答えると、へえーと感心される。この繰り返し。
屋久島のガイドさん、ありがとうございました。

0951 大株歩道入り口

ようやくトロッコ道に出た。
ここでトイレ休憩だ。ゴウゴウという水の流れが聞こえる。
予定より1時間ほど遅れている。出発を1時間遅らせたからしかたがない。

みんな汗びっしょり。私の帽子のつばから汗がポトリポトリとしたたり落ちる。
山小屋を出発してから4時間が過ぎようとしている。さすがにみんなしんどそうだ。
ここからは、トロッコ道。重いザックを担いでいてもスムーズに歩くことができる。

1010 出発

さあ、ここから1時間10分ほどトロッコ道を歩く。
みんな疲れがたまってきたようで歩行速度が遅くなってきた。
歩きやすい道でもあるので、少しスピードを上げることにした。

1108楠川別れ(標高720m)

江戸時代。島津藩は屋久杉の伐採を禁じていて見回りしていた。
その時に使ったのがこのルートだ。奉行歩道ともいう。
辻峠まで上り1時間だ。約250mほど登るのだ。疲れた足に上りはつらい。
みんなには最後の上りだから頑張れと声をかける。

気温もかなり上がってきた。Yリーダーのアゴが上がり息が激しい。
かなりバテテきたようだ。足が重くストックがなければ歩けないかもしれない。途中で、荷物の一部をスカウトたちが手分けして持ってくれた。みんな、やさしいな。スカウトは親切である。

もう少し、もうちょっと。励ましながら上る。
隊列の後ろから、隊長の「もうちょっと」には、よくだまされるで。オレもや。とかぶつぶつ聞こえる。

1210辻の岩屋

巨大な平らな岩が、ひさしのように突き出ている。
これが辻の岩屋だ。標識もなにも出ていない。

よし、ここで昼食だ。
下見に来たときに、近くにいたガイドさんが、ここで食事するのがよいと聞いた。
すぐ近くに水場がある。
お湯を沸かして、レトルト食を食べた。カップラーメンを食べているスカウトもいる。
Tリーダーが、塩昆布を配ってくれた。これが実にうまい。
屋久島の水ばかりをガバガバ飲んでいるので、塩分が不足しているのだ。
体も塩分を欲しているので、塩昆布がおいしい。

1245出発

続々と登山客がやってくる。ツアーのガイドさんが引率している。
やはり、ここが昼食のスポットなんだ。

1250辻峠(標高979m)

歩いてすぐのところに辻峠があった。
ふと見上げると標識に10分くらいで太鼓岩と書いてある。
じゃあとばかり上り始めたら、向こうからガイドさんが荷物を置いて行けと声をかけてくれた。なるほど、どうせここに戻ってくるなら重い荷物を背負うことはない。みんなで大きな杉の根元にザックを置いて再出発。急な坂を上り始める。
隊列は自由にして、早く上りたいものは先に行かせることにした。結構きつい坂だ。途中でぬれた木で滑って転倒してしまった。思わずうなる。幸い、左ひじと左すねに切り傷ができただけで他は傷んでいない。油断大敵だ。

1308太鼓岩(標高1070m)

やがて、頂上が見えてきた。先に登っていたKスカウトに呼びかけると返事がある。
上りきると、四畳半ほどのスペースがある大きな岩にたどり着いた。先客がいた。
すぐに替わってもらって岩の上に立つと絶景が待っていた。
遠くに海が見える。
屋久島の山から海が見えるのは宮之浦岳と太鼓岩だけだと聞いたことがある。
壮大な景色が目の前にある。
宮之浦岳ではガスのため景色が見えなくて残念だったが、太鼓岩でみられたので満足。

太鼓岩のパノラマ
太鼓岩のパノラマ

ここは、携帯電話のアンテナが立つ。
Wスカウトは今日大阪に戻るので白谷雲水峡まで迎えに来てもらう予定だ。
下山は3時くらいだと電話で連絡させる。

しばらく景色を楽しんでから下山した。

1330辻峠

ベンチに座って食事をしているハイカーが数名。
Kスカウトが食べさしのご飯を食べたそうにしていたが、みなが先に行くというのであきらめた。ここからは白谷雲水峡だ。もう、上りはない。
景色は様相が変わり、苔の生えた倒木がところどころに見えるようになってきた。
足元は、歩きやすいとはいえ、ところどころ岩がゴロゴロしている。
長時間スニーカーで歩くのはつらいだろう。苔むす森というポイントまで40分は歩く。

1400 苔むす森

もののけ姫のヒントになったという森だ。
ガイドさんらが写真を撮影している。ガイドの重要な役目だな。私は先月も来たので、さすがに感動は薄い。しかし、じっと見ているとまた違う気分に浸れるから不思議だ。
さ、先へ進もう。
Yリーダーは、食事を取ったことで元気が出てきたみたいだ。足どりもしっかりして見事に復活してる。そこで、先頭をYリーダーにして、私は途中の列に入った。

1454 さつき吊り橋

途中で、外国人のファミリーとすれ違った。Kスカウト曰く、フェリーでいっしょだった人達だとか。向こうもなんとなく覚えていたようだ。ニコニコしていた。
さあ、もう少しでゴールだ。橋を渡ってから、再び私が先頭をとることにした。

1505 白谷雲水峡

とうちゃーく。長い長い縦走がここで終わった
今日は特によく歩いた。出発してから約9時間が経った。

Wスカウトのお母さんが出迎えてくれた。
ひとりずつ、たんかん100%のジュースの差し入れだ。
うまあぁい。おもわず声が出る。体の中に染み入るようだ。

案内所で協力金を支払う。300円だ。
自然を維持するにはお金がいる。素晴らしい環境に喜んで支払おう。

入り口で全員で記念撮影。
やったね。
やがて、Wスカウトは先に帰った。
われわれは次のバスまで休憩。

1550 バス

なんと臨時バスが出るという。インターネットには乗っていなかった。
予定では1610のバスだった。ラッキー。運賃は550円。

1620 宮之浦バス停

1630民宿ふれんど

素泊まり専用の民宿だ。一人3240円。
予定では、オーシャンビューキャンプ場に野営するつもりだった。しかし、台風などの不測の事態に備えて民宿に変更したのだ。体力を使い果たしているときの風雨の中の設営はつらい。下見のときに、地元の人からも素泊まり民宿を強く勧められた

素泊まり民宿
素泊まり民宿

素泊りの民宿はこの付近にたくさんある。お風呂、エアコン、洗濯機、台所などの設備が使える。300円だせば乾燥機も使える。6畳くらいの広さの部屋を2つ借りられた。

これは正解だった
みんな疲れていたし、なによりもお風呂に入れたのがありがたかった。大量の汗をかいているので、体がベトベトしている。すでに体のなかは100%屋久島の水になるくらいの水を飲んでいる。

スカウトには休憩とお風呂と洗たくを指示して外に出た。

近くのスズキレンタリースで車を借りてきた。
もともと、野営に備えて買い出しのために車を予約していたのだ。
車で30分ほどのところに温泉があるので、キャンプ場からピストン輸送で温泉に連れて行こうと考えていた。
しかし、今日は食材の買い出しに使うことになった。

1700 わいわいランド

リーダー2名とスカウト2名で買い出しに出る。
車で15分ほどのところにあるスーパーだ。下見の時にチェックしておいた店だ。
夕食のメニューは、全員が牛丼に決定している。民宿には炊飯器もあるのでお米を炊くことにした。米を2kg買う。

帰ってから、スカウトが調理を担当。リーダーの分も作ってもらうことにした。
私はようやくシャワーを浴びることができた。汗のためにスポーツシャツが脱げずに苦労した。
いったいどれくらい汗をかいたかわからない。

1930夕食

6畳の間で9名で食事だ。
スカウトはジュース。リーダーはビールで乾杯した。← 少々のアルコールは許してね
エアコンの効いた部屋で食べる牛丼は美味しい。6畳の部屋に9人で食べる。
たくさんあったトマトがあっという間になくなった。スカウト達の食欲は旺盛だ。
夜食も用意しているのだ。

2130 花火

夕方、散歩に出ていたスカウトが、近くの売店で花火が売っているのを見つけたらしい。このイベントの終わりに花火をしたいという。
花火をしてもよい場所が確認できるならしてもよいと返事する。11時までには宿に戻るように。あまり、うるさく言わない。消火用の水を入れたペットボトルを持って彼らは出て行った。

私は、先にこのあたりを歩いてみて風紀は確認済みだ。
今夜は近場で催し物があるみたいで歩いている人が多い。

2230 就寝

早々に彼らは戻ってきた。地元の人に聞いた場所で花火をしたそうだ。
手には花火の残骸をペットボトルにいれて持ち帰っている。線香花火だそうだ。郷愁にかられるのかな。

目が開けていられないくらい眠くなってきた。無事、縦走できて本当によかったと思う。

明日は、7時半の起床と少々遅めにした。おやすみを言ってスカウト達が部屋に戻った。

最終日につづく...。

感想

[1] 新高塚小屋に泊まるなら2階に。ネズミが来ない。
[2] ウィルソン株には午前9時前には着きたい。混雑を避けるため。
[3] 最終日の素泊まり民宿は正解だった。無理してテントを張ることもない。
[4] たんかん100%のジュースのおいしかったこと。

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