今月末は富士山に登る予定だ。そこで、下見を兼ねてツアーに申し込んだ。夫婦での参加だ。今回は吉田口ルートからの挑戦になる。天候は悪い。
さすらい記録
記録:2019.07.15-16
天候:曇り後雨
場所:富士山
出発:富士スバルライン5合目
到着: 富士スバルライン5合目
地図:山と高原社「32 富士山」
道程:[1]スバルライン5合目登山口→[2]8合目白雲荘→[3]下山ルート→[4] スバルライン5合目登山口
歩行:2時間20分
距離:約 11Km
体力:★★★ (そこそこの体力は必要)
技術:★★ (下山時に膝を傷めないように)
見所:★★★ (眺望)
お店:★★★ (山荘はたくさんある)
駐車:登山口
トイレ:5合目、6合目、7合目、各山荘
備考:今年は開山日以来、ご来光は見られないとのこと。
0730 新大阪
大阪から富士山への登山ツアーはたくさんあるが1泊2日のバスツアーに申し込んだ。バスに長時間揺られるのはしんどいがしかたがない。
1330 浅間神社
全国に多数ある浅間神社の総本宮だ。富士山へ登ろうとする人は、ここの霊水で漱ぎ安全登山を祈願するそうな。
1550 富士山スバルライン5合目(標高2305m)
ようやく5合目に到着。ものすごい数の海外からの観光客に圧倒された。登山する客だけでなく、5合目に立ち寄っただけという観光客もいるようだ。ツアーのガイドの説明では、レストハウスで早めの夕食を食べてくれとのことだった。
1600 夕食
ツアー客は全部で30人ちょっと。いつもより少ないとのこと。登り始める前に夕食を取ることになる。外はガスがかかっている。
1700 登山開始
雲上閣の3Fには無料の休憩所(着替え)がある。そこで、登山装備に着替えて準備。登山に必要ないものはバスのなかにおいてきた。アルファベットの集合ポイントがあって、私達はFというポイントで山岳ガイドを待つことになった。
準備運動をしてから、ゆっくりと出発した。5時間で八合目の白雲荘まで登る計画だ。若い人がけっこういる。ソロで参加している人も5,6名はいる。
あいにくの天気でガスが掛かっている。ツアー前に台風が近づいてきたのだが、なんとか間に合った。山の天気はわからないが、ガイドの話では、今年は開山日以降はまともに山頂に登れていないという。せっかくの景色もまったく見えない。
1745 六合目(標高2390m)
一汗かいて6合目に到着した。ここで協力金1000円を払って記念の木のキーホルダーをいただく。簡易トイレが並んでいる。一瞬だが、雲の切れ目があって、西日がうっすらと見える。おっ、天候は回復してきたか!
1900 七合目 花小屋(標高2700m)
下から見上げて最初に見える山荘だ。日没は過ぎたとはいえ、まだ、うっすらと明るい。途中から雨がぱらついてきた。レインウェアの上を羽織る。400mくらいを登ってきたことになるが、まだまだ疲れはない。
1915 七合目 日の出館
黙々と登る。途中から、高齢の方(70歳前くらい?)の女性客がかなりのペースダウンしたため、全体が遅れ始めた。山岳ガイドとツアーガイドの二人でいろいろ話し合っている。
1945 鎌岩館(標高2790m)
とうとう女性客がリタイア。この山小屋に急遽エスケープすることになった。ちょっと、無理だったと思う。最初からかなりきつそうだった。けっこう重そうなザックを担いでいる。どれくらいの重さですか?とお聞きしたが知らないという。ちょっと、持ってみたところ少なくとも6,7kgはあると思った。ここで一泊して、明日下山ルートで降りてくるとのこと。雨足がキツくなってきた。全員がレインウェアの上下に着替える。
2120 蓬莱館
ヘッドライトを頼りに登っていくにはけっこうテクニックがいる。加えて、あいかわらずの雨だ。キツイ登山行程になった。山小屋を上がるごとに水の料金が上がっていく。
2130 白雲荘(標高3200m)
ようやく到着した。家内がかなりへばっているようだ。それでも人生初の標高3200mという。日本で2番目に高い「北岳(標高3193m)」より高いところにある山荘だ。山荘に入るやいなや、お店の方にレインウェアごと拭いてもらう。寝床はけっこうゆったりとしていて広い感じがする。一人あたり60cmくらいはある。
山岳ガイドの方の話では、午前1時に起床して山頂を目指す予定だとか。しかし、あいにくの天候でひょっとしたら山頂を断念するかもしれないという。これだけの風雨が続くと、山頂ではご来光が見えないどころか、低体温症に陥るのが危ない。実は、先週、ガイドの一人が低体温症でお亡くなりになったとのこと。ツアーとしては、登山客の安全を最優先したい。
0100 山頂断念
午前1時に 全員が居間へ集合。外は激しく雨が降っている。山岳ガイドの方から説明があった。
富士山山頂は断念します。昨夜からガイド仲間が集まって2回ミーティングを開催しました。 今後の天候は回復の見込みがありません。強行して山頂へ到着してもご来光は見えません。せっかくのツアーなので是非とも山頂へお連れしたいのですが、みなさんの安全を考えて中止します。
申し訳無さそうな表情で、とつとつと説明されるのを聞いた。しかたがない。山は逃げないという言葉もある。家内はほっとした表情だった。もし、強行するなら山小屋で待機するつもりだったという。ツアー客の方々も、みんなしかたがないねと話をしていた。午前4時まで眠ることになった。
0430 下山
目覚めると雨は上がっていたが、下界はまだまだ雲に覆われていた。
ひょっとしたら雲が晴れて、日の出が見れるかも。という淡い期待は裏切られ、相変わらずの雲。
しかたがないので、ゆっくりと下山を開始した。ガイドの方も最後尾からゆっくり降りてくるのでみなさんも各自のペースで降りてくださいという説明があった。ズルズルと滑りながら下山する。思ったよりも膝は傷めないで済む。ブルドーザーで整地された道なので大きな岩などはない。
下山はペースが早い。雨はまったく降っていない。せっかくここまで登って来たので、ゆっくりと降りることにした。途中で雲海を見物する。
0630 七合目公衆トイレ
ずんずん降りてきて、家内が膝が痛むという。膝のガードを持参していたが、山岳ガイドの方のアドバイスで粘着テープで固定することに。なるほど、そういう手があったか。参考になった。
0700 六合目
再びガスが出てきた。標高が下がって雲海のなかに入ってしまったのだ。少し気温が下がったか。ツアーガイドの方から6合目の分岐を間違わないようにと何度も忠告があった。しばらく下っていくと、ゴゴゴーという音がする。下からブルドーザーが登ってくるではないか。こうやって物資を運んでいるのだ。
0730 スバルライン5合目
相変わらずのガスのなか、登山口に到着した。ツアー客も次々と下山してくる。登山口には馬たちがいた。どうしても下山できない登山客を乗せて降りる役を引き受けるための馬たちだ。そのまま、雲上閣の着替えルームに。しばらくお土産を物色。衣服が濡れていたので、土産物屋でTシャツを買って、それを着て帰ることにした。
0930 出発
ツアー客も全員が無事に下山。途中でリタイアした人も合流した。雨の登山で散々な目にあったが、それでも3200mまで登れたことに感謝した。ここから再びバスに乗って次の目的地である石和温泉に向かった。
1100 石和温泉(いさわおんせん)
登山後の温泉はいいなあ。体がよみがえる。ここで、冷えたビールを飲んで、心もよみがえった。
1930 新大阪
ツアー終了。いっしょになった他のお客さんともお別れを告げて帰途についた。
感想
[1] ハイドレーションを背負っていたが、道中の水分補給が楽だった。
[2] ドライシャツは2枚は必要だ。
[3] 夜間登山では視界が悪いので岩場の多い山ではテクニックが要る。初心者は他の山で練習してから富士山に挑戦するのが良いだろう。
[4] 下山時の僅かな日光でも日焼けした。特に首筋と耳が日焼けした。
[5] ゼリー食を行動食として持参したが、重いのが難点。今後見直す。
[6] ガスで手袋とタオルが濡れた。手袋は速乾モデルか防水タイプにしようと思う。
[7] 分厚いタオルは、山小屋で枕に敷くと寝やすい。
[8] 1泊2日のツアー日程は少しキツイかもしれない。2泊3日くらいの日程が余裕ができてよいだろう。