【静岡】富士山 ゼロからの挑戦 1日目

出発前の記念撮影 2 登山(関西以外)

今年のメインは富士山登山だ。どうせだったら、海抜ゼロから登ろうぜという話になって、いろいろ調べてみたら、富士市が企画している「富士山登山ルート3776」といいうのがある。じゃあ、それだ。ということで、海抜ゼロから富士山山頂を目指して登山することに。ベンチャー隊のクレイジーな話。

さすらい記録

記録: 2019.07.26
天候:晴時々曇り
場所:富士市
出発:ふじのくに田子の浦みなと公園(標高0m)
到着:丸火自然公園キャンプ場(標高500m)
地図:富士山登山ルート3776
行程:[1] みなと公園→[2] 富士市市役所→ [3] よもぎ湯→ [4]丸火自然公園キャンプ場 
歩行:6時間(実質4時間10分)
距離:17.8km (GPSによる記録)、平均4.3km/h
高低:560m
参加:O隊長、Y副長、私、たか、あき、がくと、きょうか、さとし
装備:3泊4日に必要なもの。ザック重量約15kg(テント一式、水、食料、着替え等)

朝4時起きで準備。気温は25度。暑くなりそうな予感。そして、こういう予感は当たる。天気予報を見ていたら、どうやら27日くらいは台風に遭遇しそうだ。そして、このような悲惨な予感もまたよく当たる。

私のザック(グレゴリー)の全重量は昨夜の計測では13kgだった。水は1.5Lを入れている。途中で、水と食料は買い足す予定だ。年齢から考えても体力は落ちているので、できるだけ荷物は減らしたい。荷物はグラム単位で減らした。スカウトたちは千里中央駅に集合しているはずなので、途中の駅で合流する。

0548 桃山台駅

Y副長から電話があって、スカウト1名が階段から落ちて怪我をしたため、急きょ参加が取りやめとなった旨の連絡が入った。ええっ、と耳を疑った。出発間際のトラブルとは。大きなケガでなければと思う。後で、3日目から合流するという連絡があった。

0633 新大阪駅

先に到着していたO隊長と合流。ここで、スカウトたちの到着を待つ。スカウトのケガというアクシデントで電車が一本遅れたらしい。しかし、スカウトたちは余裕で間に合った。

0904 新富士駅

名古屋駅からこだまを乗り継いで到着。ホームから富士山が遠くに見える。いよいよ来たなあと思いながら、南口を出たが、他のスカウトたちが降りてこない?

なにしてんねんやろ。と、電話がかかってきて、O隊長が水筒を新幹線の線路に落とした!とのこと。カッコ悪るぅ~。駅員さんに拾い上げてもらっているらしい。初日から、O隊長はやらかしてるやん。

0925 石川タクシー

予約してあったタクシーでみなと公園に向かう。当初は、ここから「みなと公園」まで1時間かけて歩いていく予定だった。しかしだ。舗装道路を重いザックを背負って歩き、再び、戻ってくるのはいかにもしんどい。それに、ルートとも関係ない。だから、体力を温存して全員でタクシーに分乗して現地に向かうことにしたのだ。これが、大正解。

タクシーに乗ること概ね10分。よくもまあ、歩かなかったことだ。運転手さんはとても親切で、よくいらっしゃいましたね。この距離歩くんですか。大変ですね。気をつけて行ってきてくださいね。最近は、海外からの団体さんもたまにこのルートを歩かれるんですよ。と、ひとりひとりにウチワをプレゼントしてくれた。親切な運転手さんだった。

0935 田子の浦みなと公園

広々とした公園だ。すぐそばに海がある。田子の浦だ。そして、振り返ると富士山が見える。こんな時間に公園に来ているひとはいない。閑散としている。

古墳のような展望台のすぐ下に「起点」と書いた「登山ルート3776」のポイントがある。ここで、ガイドマップとスタンプの台紙をもらって、とりあえず、出発時のスタンプを押す。スタンプは全部で4カ所押すことになっている。まずは一つ。

それではということで、海に入りに行く。とはいっても、公園からすぐに海には行けない。

テトラポットがあるのだ。これ、越えていくんかいな。と見たら、赤いペンキで入口と書いてある。ここからよじ登って行けということか。荷物をおいて、テトラポットを慎重に乗り越えていく。ここでケガしたら洒落にならない。

海辺の波は穏やかだった。海面は太陽の光線を受けてギラギラとしている。みんなで海に手を入れて波に手を入れた。

そう、海抜ゼロやん!ここから3776メートル登ったところに富士山があるねんな。という単純な計算に、ただ漠然とすごいやんと感心してしまった。

なんで、こんなばかばかしいことをしようとしているのだろうという思いが一瞬頭をよぎったが、海に触ったことで気持ちのスイッチが入った。

1000 みなと公園を出発

今日の予定は、よもぎ湯を目指して歩き、丸火自然公園キャンプ場に宿泊する。よもぎ湯までは11.4km。そこからキャンプ場まで4kmくらい。15kmほど歩く予定だ。(結果的にGPS記録をみたら17.8km歩いていた)

さあ、行こか。千里の道も一歩から。今回の企画書を書き上げた議長の「たか」を先頭にスカウト立ちが歩き、その後ろからO隊長と私が続く。熱気がアスファルトの歩道からゆらゆらと立ち上る。右手には田子の浦漁港があって、たくさんの漁船が係留されている。他にわれわれと同じ目的で歩いている人たちはいないようだ。ま、そうやろな。

富士市の街中をひたすら歩く。歩く。歩く。→ 暑くて汗がだらだら。
途中で電柱を見ると、「海抜4.2m」と書いてある。そっか、残り3772メートルくらいか。
と、軽く考えてみる。なんや。ぜんぜんやん。自然と笑いがこみあげてくる。

スカウトが先頭で歩いているのでペースが速い。時速4kmは越えている。こんなペースで歩いていたらとてもじゃないが4日間持たない。O隊長曰く、しばらく彼らに任せときましょう。と、あとでアドバイスすることになった。

1104 コンビニで休憩

水分補給。みんな、汗がだらだらで水を飲んでも飲んでも追いつかない感じだ。

「がくと」を見ると、シャワーでも浴びてきたんかというくらい汗をかいている。
「あき」は、少し頭が痛いような気がすると言う。この暑さでは頭も痛くなる。
「さとし」は涼しい顔をしている。全員の顔色を見るが、まだまだ大丈夫な感じがした。
ていうか、人のことを心配している場合ではない。シャリバテを防止するために、お昼休憩の前にサンドイッチを1つ食べることにした。

私は、ザックにハイドレーション(水をいれたパックのようなもの)を入れて、チューブから水を飲んでいる。今回のような活動にはうってつけだ。
一息入れてから出発。

この道路は、大渕街道というらしい。たまに路面に「富士山ルート3776」というペイントがあるのでルートであることがわかる。

正面には富士山が見えるが、どんどん雲におおわれていく。西の空には見る見るうちに積乱雲が大きくなっていく。おそらく今夜くらいから雨が降るのだろう。途中から、トレランチームらしき男女4名のグループが私たちと一緒になった。軽装だ。なぜか、われわれを追い越さず後方についてくる。

1240 コンビニで昼食

スカウトたちは、好みのコンビニで昼食するという。さっきは、ファミマだったので、昼食はセブンイレブンになった。
汗が出切っているので、体が楽になっている。各自が持参した食料や買い求めたもので昼食タイムとなる。駐車場の横でじゃまにならないようにして昼食を取る。私は、なぜか冷麺が食べたくなった。体が冷たい食べ物を欲している。ちょっと、辛かったが美味しかった。トレランチームはここに用事があったらしい。すぐに先へ進んでいった。

1325 法蔵寺

法蔵寺を過ぎたあたりで小休止。気温がかなり上昇してきたような気がする。アスファルトの路は、ホットプレートのようだ。

1400 業務スーパー

業務スーパーに到着。ここまで11.5kmほど歩いたことになる。全行程で最初にして最後の食材調達のお店だ。ここで残りの3日に必要な6食分の食材と水を購入する。クーラーが効いているので店内は涼しい。

保存が効くのでパンが中心となる。ゴミはすべて持ち帰りなので、ゴミの少なそうな食料を選ぶ。結果的に、計画書にあったメニューとは違うものを買っていた。

私は水を買うのに店内を物色。見つけた水のコーナーでは、2Lの水と500mlの水はどちらも57円という不思議な料金体系に驚く。地元の人にとって見れば、富士の美味しい水って、いつも水道から飲んでるのとちゃうかな。ちょっと、こじゃれた細長い容器にはいった水500mlを2本と菓子パンを4つ、インスタントスープを2種類買った。

1430 出発

だらだらと休憩したので、時間を浪費してしまった。30分も休憩していた計算になるので体が重くなっている。よっこいしょとザックを担いで出発した。食料品でザックがますます重くなっている。予定より1時間ほど遅れている計算だ。16時までにはキャンプ場に入らねばならないとO隊長が焦る。
ルートはいつの間にか山間部に入ってきた。涼しい。センターラインのない道路を歩く。

1520 よもぎ湯

中継ポイントであるよもぎ湯に到着!ようやく2個目のスタンプをゲットする。

このスタンプラリーの用紙は雨にも強そうな材質だが、それが災いして、スタンプのインクが反対側の紙にべっとりついてしまうのが難点。スタンプの印字が判読できなくなってしまった。ま、いいか。気にしない。

さあ、みんなで集合写真を撮影。
ん?自動販売機があるやん!知らんかった。緊急時にはここで水分を補給できるということがわかった。O隊長は、スマホで消費カロリーをチェックしている。どうやら、本日は2000kcalを超えたらしい。普通に食べてたら痩せてしまう!と心配していた。

1540 出発

O隊長とMスカウトは、体力が十分有り余っているため、先にキャンプ場へ行って受付するという。私は残りのスカウトといっしょにぼちぼち歩くことにした。

スカウトたちの上気した顔には、わずかではあるが疲労がにじんでいる。私はといえば、六甲全山縦走のときのしんどさで言うと、菊水山へ登る前くらいの疲れだ。これを読んでいる人には、わけのわからないたとえかも知れないが、要するに、まだ余裕があるということだ。しかしだ。左足にマメができている。トレッキングシューズで平地の舗装道路を歩くのはきつい。マメ対策には、スニーカーで歩くのが正解だろう。その分、登山用の靴を別途持たなければならない。

1620 丸火自然公園キャンプ場

森に囲まれた細長い樹林のなかにある「丸火青少年の家」に到着した。遠くでヒグラシが鳴いている。「少年の家」というシチュエーションでは、決まって物悲しくヒグラシが鳴くのだ。他にキャンプしている人は見かけなかった。ガラガラだ。炊事場には水道があり、飲料水として利用できるそうだ。この水って、富士山麓の美味しい水とおんなじやんな。とか言いながら味見してみた。美味しいような気がした。購入した水と味は変わらない。
われわれにあてがわれたサイトは西グリーンキャンプだ。
炊事場の近くにトイレ、テントサイトがいくつか。テントサイトを見ると、森の中にスペースがぽっかりと空いている。箕面教学の森と同じやん。とスカウトが言う。少し離れたところにあるトイレも全員で点検する。

トイレはバイオマストイレで整備されている。女子は一人なので、ちょっと怖いと言う。危険はないので心配はいらない。炊事場はきれいだ。しかも、電灯が点く。とりあえず、テントを設営せねばならない。
ここでO隊長と相談。
どうやら天気予報を見ていると、今夜から雨が降り、明日の朝も雨。しかも、台風6号が発生しているので明日は激しい雨が降りそうだ。こんななか、サイトにテントを設営すると明日の朝の撤収が大変だ。それに、雨に濡れたテントは重い。
O隊長は決断した。危険回避のため、炊事場にテントを張らせてもらおう。
賛成。全員がドームテントなので、フライをかけずにコンクリートの上にテントを置いた。

1800 夕食

スカウトたちの夕食の献立は、レトルトのご飯とカレーだ。お湯を沸かすだけ。私のメニューは尾西食品のアルファ米のドライカレーに業務スーパーで買ったネギスープだ。O隊長は、持参したナッツをボリボリ補給している。100gで600Kcal を補えるらしい。

食事は楽しい。みんなワイワイ言いながら、あっという間に食べてしまった。

「あき」は、うちはカレーが苦手やねん。とか言いながら食べてる。なんでカレーが苦手なのか聞いてみたら、「食べ過ぎ」で嫌いになったらしい。どんだけ食べたんやろ。

電灯に惹かれて、虫がブンブン飛んできてあたりにぶつかりまくっている。妙にデカいカブトムシのメスが、「がくと」のザックにとまっていた。それを見つけた「がくと」が、これ以上ないというくらいのデカい声でびっくりした~と叫んでいる。虫が嫌いらしい。でも、虫は彼のことを好きらしい。

2030 就寝

今日は、早めに寝よう。かなり疲れた。風が出てきて雨がしとしとと降り出した。汗で濡れたチーフやタオルは乾かないだろう。しかたがない。明日は6時起床だ。10時間も寝たら体力も回復するだろう。私は10時間も寝る自信がない。年とともに睡眠時間が短くなっているのだ。でも、体を横たえているだけでもいいかも。
スマホで天気予報をみると、台風6号が発生したというニュースが飛び込んできた。やっぱり。嫌な予感が当たった。洗面して歯磨きしてからテント内に入る。シャワーを浴びたいところだが、そうもいかないのでウェットティッシュで体をふく。乾いたTシャツに着替えて横になった。ウレタン製のロールマットが背中に気持ちがいい。スカウトたちもテント内に入り、しばらく会話していたが、すぐに静かになった。ザックを枕にしていたが、そういえばエアー枕を忘れてきたことに気が付いた。そんなどうでもいいことを考えているうちに、私もすぐに意識が遠のいていった。

二日目につづく

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