【兵庫】六甲全山縦走 (初回)

歩数計の記録 1 登山(関西)
歩数計の記録

2011年5月6日に「六甲全山縦走」に挑戦した。

50歳の大台を越えてから、なにかひとつ新しいことにチャレンジしたいと
考えて数年過ぎてしまった。そんな時に飛び込んできたのが「六甲全山縦走」。

記憶は定かではないが、中学1年生のときに近所のお兄さんにつれられて六甲を縦走したことがある。その時は有馬温泉に抜けたということだけを覚えている。(あれはまぼろしだったかな)

体力的には自信が持てなかったのだが、下見を数回するうちにやってみようという気になった。手が届きそうだ。(典型的な都会型生活のため、筋力もないし走ることもできない体なのにである)神戸市に地図を請求して準備。3月に実行しようとしていたが身内の不幸で順延。

これ以上引き延ばすと気温が高くなり縦走が難しくなるかもしれないと思い、決行することにした。(周囲は引き留めたが)

さすらい記録

出発:2011年5月6日 午前6時45分 須磨浦公園駅
到着:2011年5月6日 午後8時50分 宝塚駅
時間:約14時間
距離:53km(公称56㎞)
歩数:計測万歩計(オムロン HJ-710IT)
  :72063歩(しっかり歩行49615歩)
  :計測距離43.24㎞。(歩幅60cmで設定)
  :しっかり歩行時間445分
  :脂肪燃焼量117.5g
  :消費カロリー1872Kcal
健康:体重61.0kg(▲2.8kg) 体脂肪 15.7%(▲3%)
   血圧108-62(最高と最低が各々▲30)
天候:晴れ時々曇り
気温:最高気温21℃。最低気温13℃
装備:おにぎり3個(シャケ、梅、シーチキンマヨ)。
   準備水分/ペットボトル500mlお茶2本(爽健美茶)
   途中購入/ペットボトル500mlお茶2本(爽健美茶)、CCレモン500ml1本、カフェオレ350ml1缶
   行動食/ウイダーinゼリー4パック(3パックがカロリー補給180kcal、1パックがビタミン補給35kcal)
   その他/パインアメ12個(一個19Kcal)
服装:レインウェア上。(ゴアテックス製)防寒を兼ねる
   速乾Tシャツ(L.L.bean) ← 着替えを省略
   ワークシャツ(ユニクロ) ←厚手の長袖シャツ
   登山用パンツ(ミズノ)← 伸縮性のパンツ
   帽子(キャップタイプ)
   タオルマフラー(愛媛県製)
   替えの靴下1足
   手袋(自衛隊使用)
   軽登山靴(シリオP.F.421-GTX 片足750g)
   軽量ザック(18L)
通信:ラジオ 1台(単三電池2)←  天気予報など
   スマートフォン(GalaxyS) 1台 ← 非常用マップ
   ICボイスレコーダー(単4電池1)← 記録用
   携帯電話(ドコモ) ← メイン使用
   非常用バッテリー(マルチ対応)
   GPSロガー(単三電池1)← (途中で紛失)
   sony ウオークマン 1台 ← 気晴らし
地図:地図(神戸市発行の六甲縦走の地図)
   コンパス(シルバNo.3)
薬 :サロメチール(筋肉痛対策)
  :救急用絆創膏 4枚
  :右膝用のプロテクター(非常用)
備品:コースタイム表(自作A4サイズを折りたたんで使用)
   ペン
   上記を入れるチャック付ポリ袋(100円shop)
   濡れティッシュ1
   ヘッドランプ1(単4電池3)
   簡易LEDランタン(単三電池4)← もしもの光源。
   予備の電池(単4電池4、単三電池2)
   腕時計(カシオプロトレック)← 高度計使用
   財布・定期
特記:今回はデジカメを持参しないことにした。(撮影時間がもったいない)

出発から到着までの行程についてレポートする。
写真は撮影していないので、テキストのみの報告である。

六甲全山縦走の記録
六甲全山縦走の記録

0645 須磨浦公園

新大阪05:29西明石行に乗ると須磨浦公園には6時39分に着く。途中、JR須磨駅で山陽電鉄の須磨で乗り換えに15分ほど余裕がある。山陽須磨の駅横にはローソンがあって、ここでおにぎり3個とお茶2本を買う。
後で考えると夕食用におにぎりをもう一個買っておけばよかった
簡単に準備運動をして、GPSロガーをONにして45分に出発した。周囲には誰もいない。
ペース配分に気を付けて飛ばしすぎないように階段を上がる。振り向くと瀬戸内海がかすんで見える。

0711 旗振茶屋

先客がいてラジオ体操をしていた。ここを素通りする。写真を撮らないのでさっさと進む。
尾根道は歩きやすく、つい早足になる。

0728 高倉山

数人が談笑しながら座っている。朝早くから登ってきたのだろう。
ここもさっさと通り過ぎて、狭い階段を下りる。靴は調子がよさそうだ。
団地の中を素早く抜けて、第一の難関である階段に向かう。400段はあろうかという階段をピッチを上げすぎないように登る。やはり、一気には登れない。ちょっと息が上がる。
栂尾山(274m)に到着して、尾根道を進む。

0805 横尾山(312m) 6.7km地点

予定より10分早いペース。途中で、一人のハイカーを追い越した。
なんでも6時10分に須磨浦公園を出発したとのこと。この話を聞いて、オーバーペースに注意を払う。が、下り坂になるとどうしても速くなる。

0814 馬の背(棒標識)

誰もいないのでスムーズに進む。

0822 東山

数人が休憩している。小休止して水分を補給。
ここから住宅街に降りる。道に迷うことはないが、アスファルト道路は足に堪える。今回は軽登山靴を履いているので歩きやすい。なだらかに上る道路はじんわり足にくるような気がする。道路の照り返しが熱く、体温が上昇するのがわかる。
ウイダーinゼリーを一本飲む。あっというまに体に吸収されてしまう。この住宅街での行程は時間を稼ぐという意味ではポイントかもしれない。どかどかと走るわけにはいかないので早足で進む。

0923 高取山(320m)

荒熊神社の前を通過。前回の下見ではこの神社をあがったところの山頂に行った。
ここからやや下り坂の尾根道を進む。速度を稼げる道だ
再び民家が見える道路を歩く。高取山から鵯越駅までは4㎞あるが、歩いていて長く感じる
途中にある果物屋さんで見かけたリンゴが食べたくなったが我慢。(今度来たときには食べよう)パインアメをなめながら進む。

1009 鵯越駅(ひよどりごえ)16.2km地点

前回の下見の時はちょっと迷ったが、今回はスムーズ。それよりも今から歩く菊水山までの3.3㎞が憂鬱だ。第二の難所と言われている階段があるのだ。
下見の功罪があるとすれば、難所を予想することで憂鬱になることかな。
菊水山の麓で、看板にあと900mとある。頑張れと書いてあるが、言われんでも登るしかない。階段を上りだしてすぐに両足の筋肉が硬直して上がらなくなる
なんと、なさけない。
10段上っては休み、数段上がっては休みの連続。大会では渋滞するはずだ。私の後から来たご老人(失礼)にあっさり抜かれてしまった。これには精神的に参った。こんなことでは、完歩なんてほど遠いなあと自分に問いかける。それでも、だましだまし登りきる。ウイダーinゼリーを一本飲む。

1123 菊水山(459m) 19.5km地点

倒れ込むようにして石碑のところで座る。
もちろん昼休み。おにぎりを2個食べる。1個は残しておく。周囲にはニコニコしたハイカーたちが楽しそうにお弁当を食べている。私は、ハアハア言いながら両足をさすっていた。
ご飯を流し込むとはこのことかと思うような昼食だった。
予定では15分の休憩が20分になってしまった。
気温は上昇し炎天下。
気持ちを取り直して出発した。両足はパンパン。予定では12時到着だったので予定より40分早い。ちょっと気分は楽になる。下り坂が続くので足元に気を付ける。

1205 天王吊橋 20.8km

有馬街道をまたぐ天王吊り橋を渡る。
ここから鍋蓋山まではわずか1.1kmだがこれが辛い。細い木の根の間を登るのだが、菊水山でかなりの筋力を使っているので足がなかなか上がらない
おもわず座り込む。この先が思いやられる。ひょこひょこと降りてきた軽装の女性ににっこり微笑みかけられた。くたびれた感で一杯のおっさんに「頑張りや」のエールをくれたのかもしれない。なんと身が軽いと思う。

1240 鍋蓋山(487m) 21.9km地点

広々とした広場のような山頂だ。数人がお昼を取っていた。水分を補給。持って行ったお茶がなくなった。次の大竜寺の自動販売機で水分を補給する予定だ。なだらかな坂道を小走りに降りる。

1311 大竜寺(山門前) 23.5km地点

自動販売機で、CCレモン500mlを買って一気飲みする。
こんなにうまい飲み物が他にあるのかと思うくらい喉を鳴らして飲み干した。予備のお茶を買って、先を急ぐ。
アスファルトの道をしばらく下る。先行しているおっちゃんがめっちゃ走っている。そんなに走らんでもと思う。こけそうやん。(って、それは俺もやん)
どこかの学校の遠足のグループを追い抜く。「KOBE」と書いたキャップをかぶった高校生らしきグループとすれ違う。みんな大きな声で挨拶する。しゃきっとして挨拶を返す。(ここはボーイスカウトの指導者として負けられない)

1322 市ヶ原(茶屋前) 24.5km地点

トイレ休憩。
これからやん。最後の難所といわれる摩耶山まで4.2km。知ってるだけに、気分はげんなりする。
しかし、負けてはいけない。(と、自分に言い聞かせる)
気を取り直して出発する。天狗道といわれる「えげつない」登山道を登る
この世のすべてを呪いながら、ハアハア言いながら登った。途中でなんども、今日はやっぱりやめとこかという悪魔の誘惑が頭をよぎる。両足の太ももが痙攣しているので、なんども立ち止まってマッサージする。このまま吊ったら、ほんまに断念しなくてはならない。日頃使い慣れていない筋肉を使っているということを痛感する。せっかくここまできて止めるのは悔しいので、慎重に進むことにした。

1506 摩耶山(702m) 28.7km地点

もう、嫌になるわと思ったところ、ひょっこり山頂への道に出た。
予定より30分早い。しかし、まだ行程の半分!すぐに六甲山へと向かう。道路沿いの歩道を進む。ここも時間を稼ぐ道だ。不思議なことに両ももは痛いのに、普通に歩くのは苦痛ではない。使う筋肉が違うのだろう。

1536 杣谷峠(自然の家)30.8km地点

側道には数名のハイカーがいる。みんな私と反対方向に進んでいる。黙々と進む。
途中で、宝塚から歩いてきたという青年と会話。朝9時に出発してこれから摩耶山まで行って下山するとか。私が今から宝塚ヘ向かうと聞いて驚いていた。これから行く道の近況情報を収集。

1608 丁字ヶ辻 32.7km地点

変化がないとはこのことだ。ずっと歩いている気がする。景色の変化がない。
ここは小走りに走った方がよいのかもしれない。このあたり時間を稼ぐことができれば日没までに宝塚に行けるだろう。

1622 記念碑台 33.8㎞地点

交差点前の自動販売機でお茶を補給。暖かい飲み物が欲しくなった。
自販機には、おしるこやポタージュスープなどもあったがどれも売り切れ。日頃は絶対に飲もうとしない種類の飲み物だ。誰がこんなもん欲しがるんやろと思っていたが、今の自分がそうである。しかたがないのでカフェオレを飲む。
周囲は少し暗くなってきたような気がする。ハイカーは見かけない。今度来るときは、バーナーを持って来ようかな。

神戸ゴルフ倶楽部(駐車場)

六甲全山縦走路はゴルフ場を横切る。
途中で、GPSの電池を交換しようとしたら「GPSがない」ことに気が付いた!
ええ~。どこ行ってん?
ザックに着けていたのがはずれてしまったようだ。(が~ん)
途中で、ザックを投げだすようにして休憩していたからだろう。これにはショックを受けてしまった。せっかく記念すべき縦走なのに。
しかし、今から元来た道を引き返す気力はない。これも定めと割り切って先を進むことにした。こんなことになるなら、GPSは外側にくくりつけるのではなく、中に掘り込んで置けばよかった。
今回のザックが小さかったのでやむを得ず外側に付けたのだった。再び、すべてを呪いながら縦走路を進む。
ここも時間を稼ぐためにはよい道である。(その時はそんなことを考える余裕はない)
しかし、蛇のように続くアスファルトの道を何度も渡り直す路にはげんなりする。周囲は暗くなってくるし、誰もいない。気持ちがなえそうになる。

1741 一軒茶屋 39.0km地点

なんとかたどり着く。ここで、残しておいたおにぎりを1個食べる。
お茶も予備の1本を残して全部飲む。レインウェアを上から着込んで寒さ対策をする。
帽子の上からヘッドランプを付けて、LEDランタンを左肩に装着する。
携帯の電波は圏外だが、アンテナを補足したときにすぐに発信できるようにメールを保存しておく。
これで、ボタン一発で近況を仲間に伝えることができる。ずっと耳につけていたウオークマンを外す。外部の音を聞いて危険回避につなげるつもりだ。ラジオをONにしてザックの横に入れる。ナイターをやっている。ラジオの音で遠くからでも私がいることがわかるだろう。

1750 出発

さあ、行こう。ここから先にエスケープできるところはない
日没は6時48分なのですぐに真っ暗になる。下見はしているので道に迷うことはないと思うが、念のためスマートフォンの電源をON。いざというときは地図アプリを利用して現時点を確認する。すぐにボーイスカウト仲間から電話を受信。たまたまアンテナ1本。
安全確認してくれたのが心強かった。ここからの道は尾根道。ひたすら歩くのみ。日没までに距離を稼ぐために、とにかく足早に駆けた。周囲の景色はほとんど目に入らない。

1901 船坂峠 43.0km地点

周囲は真っ暗。もちろん誰もいない。へえー、俺一人っきりやん。
状況を考えると気味が悪いが、本人はそうでもない。だんだん自然に慣れてきている。
アスファルトの道を下る。下見をしているので迷わない。途中で、右側の山道に入る。

大平山登り口 (682m)

真っ暗な道なので時間の計測を忘れてしまった。どこかは忘れてしまったが、青年がソロテントを張っていた!真っ暗ななかで設営していたようだが、私を見て軽く会釈。
へえ~、ま、こんなところで野営もありやな。と感心。
しかし、どこから来たんやろ?
宝塚からかもしれない。なんとなくそんな気がした。

大谷乗越 46.0㎞地点

ここも計測を忘れる。
ナイターの横浜対阪神の中継に聞き入ってしまっていたからかも。気温が下がったため、体が楽になった。足はスムーズに動く。ただただ黙々と歩く。

2014 塩尾寺(50km地点)

えっ、もう着いた!
あと30分はかかると思っていたのに意外にも早く着いてしまった。
しかし、ここから甲子園大学までの下りのアスファルトがきつかった
住宅街に入ってラジオを消す。

2050 宝塚駅(53km)

やったー!ゴーーール!!
よう、歩いたなあ。
サラリーマンがベンチで腰かけて携帯を見ている。アベックがこちらを見てにっこり笑っている。まあ、どう見ても山から下りてきましたっていう格好してるからなあ。

仲間と家内にメールを送信して「六甲全山縦走」は終了した。
感慨無量の14時間

帰りの電車はさすがに座ってしまった。頑張った私の両足にも感謝したい。

感想

[1] アスファルト道の歩き方(走り方)を工夫すれば12時間で行けそう。
[2] ザックは、背中に汗がかかないようなドイターのようなザックがよい。
[3] 行動食のゼリーは、その時はよいが腹持ちが悪い。おにぎりがよかった。
[4] どこかで暖かい飲み物が欲しい
[5] 水分補給は早い目にしないといけない。最高気温が20℃を超えるような場合は要注意。
[6] 靴はトレッキングシューズより軽登山靴のほうが歩きやすかった。
[7] 全範囲を通じて、携帯電話のみ電池が最後まで持った。スマートホンはダメだ。
[8] 人に道を聞くことをためらってはいけない
[9] 心が折れそうになっても、必ず達成するという強い想いが大切だ。
[10] ダブルストックが下り坂で威力を発揮した。これがなければ達成できなかった。
[11] 準備をすれば、年齢に関係なく完歩できるコースである。
[12] また、挑戦したいと思う。

以上

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