【和歌山】熊野古道 発心門王子 ハイキング 2016

このようにハッキリわかる標識がある 3 ハイキング
このようにハッキリわかる標識がある

熊野古道?やっぱり一度は行ってみたい感じするやん。台風が通過するのを待ってから行ってみよ。

さすらい記録

記録:2016.09.24
天候:雨
場所:熊野古道 
出発:発心門王子
到着:熊野本宮大社
ルート:[1]発心門王子→ [2]水呑王子→[3]伏拝王子→ [4]三軒茶屋→[5]祓殿王子→ [6]熊野本宮
歩行:3時間
距離:約 7Km
体力:★  (ハイキング感覚)
技術:★  (むずかしいところはない)
見所:★★ (歴史のオーラを感じる)
お店:★  (途中で茶店が数軒)
駐車:熊野神社
トイレ:途中でいくつか公衆トイレがある
備考:

宿泊したのは渡瀬温泉のホテルやまゆり。従業員はみんなチョー丁寧な人ばかり。

0550 起床

エアコンが効きすぎで目が覚めた。

0600 露天風呂に入る。

雨はあがったようだ。朝風呂は気分がいい。

0730 ボリュームたっぷりの朝食を食べた。

0830 ホテルを出発

外をみると雨は斜めに降っている。あれっ。
レインウェアを着込むほうがよさそうだな。やれやれ、台風がすぎたので天気予報も晴れやて言うてたのに。他の客もレインウェアを着込んでいる。ここから熊野本宮までは車で10分ほどの距離だ。ホテルの人は、ホテルの車を出すから、その後を車で着いてこいという。

0850熊野本宮の駐車場

現地の駐車場に車を停めて、小走りに送迎車に乗る。もう一台の車からも客が走り込んできた。
発心門王子まで乗せてくれるのだ。熊野古道周辺のホテルにはこのようなサービスをつけているところが多い。
気をつけないといけないのは、楽天などの旅行サイトを経由すると料金によって選択制になってたりすることだ。直にホテルに申し込むほうが得することが多いような気がする。

車は他の宿泊客で満員だった。途中の三軒茶屋で降りる人が数人。初心者コースの方はこちらと。ガイドらしきおばちゃんが呼びかけている。ツアーでいうところの語り部だ。いつの間に乗りこんだんやろ。

外はガスっていてて景色はほとんど見えない。雨がしとしと降ってる。
バスは右に左にと揺れながら進む。バスの中では客達が口々に残念な天気予報に愚痴ってる。
屋久島の早朝バスの移動を思い出した。まあ、しかたがない。

0908発心門王子

7、8人が車を降りた。相変わらず雨足は強い。ガスが漂っているためか、なんとなく神秘的だ。
妙に口達者なおばちゃんが数人に語りかけている。語り部だろう。いかに語り部が、お得なのかを熱弁している。よし、わかった。
すぐそばを若いカップルが上下のレインウェアにスパッツという完全武装のトレッキングスタイルで山道に入っていった。あれっ、彼らは反対方向へ行くのか。猪鼻皇子から赤木越えか。気合い十分やな。

神社前の御手洗で水を使う。雨なので手は濡れたままだ。周囲は、語り部といっしょのグループだけになったので、出発することにした。語り部の語りをタダで聞いては申し訳ない。

熊野本宮へはバスが通ってきた道を戻る。
全行程は7kmくらいで、かつ、下り道なので真面目に歩いたら2時間もあればゴールしてしまう
せっかく遠くまでやってきて、さっさと歩くのはいかにももったいない。だらだら歩こうと心に決めた。

んで、周りをキョロキョロみながら歩くことにした。舗装路を30メートルほど歩くと標識があって右を指している。

発心門休憩所

万歩計880歩。
すぐに休憩所が見えた。立派なトイレがある。屋根もあるので2、30人の団体客でも大丈夫だろう。ここから、伏拝王子までトイレはないとトイレに説明してあった。
まあ、急ぐ旅でもなし、のんびり行こう。

ここから水呑王子までは舗装路だ。
熊野古道といっても、一部は生活道となっている。バス停の標識があるので、道は狭いがバス道だ。べんりバスとある。
周囲は古びた民家がまばらに建っている。雨がふっているので、余計に寂しい感じがする。話し声がするので振り向くと、なんと完全武装したカップルではないか!さっき、道を間違ったんやろ。傘も差さず、楽しそうに歩いている。

0940水呑王子

3325歩。
あいかわらず、大粒の雨が降っているなあ。けっこう土砂降りに近いんとちゃう?大きな屋根の下に数十のテーブルと椅子がならんでいる。これも休憩所かな。数人のハイカーがたたずんで水吞王子を黙って見つめている。

あれっ、折りたたみ傘から雨が漏ってくるやん。よく見たら骨が折れてる。あらら。
ま、ずぶ濡れになるよりマシか。レインウェアを着た上で傘をさしている。どんなにレインウェアが優秀でも、直接雨に濡れないのが一番だ。屋久島のガイドさんは、みんな透明傘を差していたのを思い出した。

ここからは未舗装路を歩く。なんとなく古道らしい。

周囲は誰も歩いていない。人声もしない。ただただ、ザーという雨の音だけ。かえって雰囲気があって良い。

よく手入れされた林の中をゆっくり歩く。1200年前の人もこんな景色の中を歩いていたのかな。 そんなことを考えて歩いていたら歴史の香りが漂う。

やがて、舗装道路になった。無人の野菜売り場がある。ぽつんとみょうががおいてあった。
遠くを見ると果無(はてなし)山脈が見えるという看板があった。

1034伏拝王子

6762歩
あと100メートルという標識に導かれて小高い丘を上ると伏拝王子があった。ガスが出ているので景色は見えない。ここから、熊野本宮の大斎原が見えるそうな。旅人が260kmも歩いてきて遠くに熊野本宮が見えると伏して拝んだところからこの名がついたらしい。
すぐそばに休憩所があったので休んでいくことにした。気のよさそうなおばちゃんが休んでいってくださいと呼び込んでいる。

先客が6、7人いた。休憩所の真横にきれいな水洗トイレがある。温泉コーヒーというのが200円。ついでにゆで玉子50円を食べる。冷えた体にあたたかい豆ひきコーヒーは、香りもよくなかなかおいしかった。
次から次ぎへと観光客がやってくる。

隣のテーブルには一人の初老の白人男性が座っていた。目の前の日本人にどこから来られたかと聞かれオーストラリアから来たという。研究のためだとか。なにやら熱心にスケッチブックに書き込んでいる。愛想のよいおばちゃんは、次から次へとお客さんと話をしている。外国人に慣れているのか、にこやかに英語で話しかける。
ボクと目が合うと、いつもは無口やのに今日はよくしゃべってしまうわと笑っている。うん、いつもしゃべってるんやろな。

さあ、混んできたから次の客に席を譲ろうと立ち上がった。
サンキューと満面の笑顔の欧米人らしき二人連れが席にやってきた。やや遅れて日本人ガイドがスウェーデンからですと向かいの席に座った。へー、遠い国から来たんやな。
一人と目が合う。
「ストックホルム」
「おー、アイノウ、ストックホルム!」
と、言ってはみたもののそれ以上の知識はない。
「アーユージャパン?」
ん?ボクが、日本人かって聞いてるのか?
「ネイティブ、ジャパン!」
生粋の日本人だと答えたつもりだが、ジャパニーズと言うべきだったか。
でも、相手はオウといって爆笑していたので通じたらしい。
「クマノ?」
熊野の人間かと聞いてくる。いや、違う。
「アイム・オオサカ」(いかん、完全に文法間違ってる)
「オー、アイノウ、オオサカ!」(しかし、通じてる)
「オープン、オールド、むにゃむにゃ」(よくわからん)
よく聞き取れない。日本人ガイドが、なにやら古い民家がたくさんあるところを知ってると言ってます。
よーわからんな。緑地公園の民家集落のことか?と答えたがよくわからないという意味の微笑みがかえってきただけだった。
すると横から、もう一人の日本人ガイドが、ボクに向かって、鶴見緑地にそんなところがありましたか?と聞いてくる。
ちゃうがな。
にぎやかな休憩所だ。雨ばかりで退屈しそうだったが、おもろかった。

1100出発

森の中を歩く。ゴールまでは未舗装の道になる。熊野古道という感じがするな。

1127三軒茶屋跡

ちょっと雰囲気のある場所にでた。
真っ暗な休憩所には一組の中年のカップルが休んでいた。発心門王子でも見かけた二人だ。こんにちはと呼びかけても反応がない。中国の方らしい。男性はぼうっと中空を見つめていた。雨で疲れたようだ。

すぐ横に関所があった。シンプルな関所だ。後で作ったんだろう。通行料は20文くらいだったとか、熱心に語り部が語っていた。

雨音は相変わらず森の中でザーと反響している。古道は川の中を歩くようだ。石が敷き詰められているので歩き難くはないが、ところどころに水たまりができている。普通のスニーカーを履いている人は靴がビショビショだろう。

1209登り口

1万2900歩。
下り坂の熊野古道もこれが最後。降り口ならぬ登り口を舗装道路に降り立った。目と鼻の先に、払殿王子がある。

1212祓殿王子

町のなかにポツンとある。このコースの最後は祓殿王子(はらいど)だ。
すぐよこに熊野本宮の鳥居が見える。熊野古道もいよいよゴールに近い。

1215熊野本宮

ヤタガラスのポストを発見。八咫烏と書いてやたがらすと読む。
初めてみたときは、なんやフツーのカラスやんと思っていたが、とんでもない。
こいつは3本足なのだ。日本神話に出てくる大ガラスだそうだ。漢字ではぜったい書けない。習ったこともない。
神様に向かって、雨の中、無事ゴールできたことに感謝して拝んでおく。そのとき初めて、今回はノンアルコールだったことに気がついた。

1225駐車場

12900歩。
雨やったけど、熊野古道を体験できたから良しとする。やっぱり全長260kmを歩かんとあかんな。

感想

[1] 交通が不便なのでどこに宿泊するかがポイントとなる
[2] 道は険しくはない。スニーカーでもいいが、トレッキングシューズのほうが楽。ストックは不要。
[3] 道に迷うことはない
[4] 温泉との組合せをオススメする。

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